バイク・ドライビングテクニック~後ろに人を乗せて走る~

二人乗りのルール

バイクのタンデム走行は誰でもできるわけではありません。
まずは、道路交通法の規定による制限があります。
一般道路を走行する場合は、20歳以上で、かつ、自動二輪免許を取得してから1年以上のドライビング経験が必要です。
また、平成17年の4月から解禁になった高速道路のタンデム走行は3年以上の経験が求められています。

二人乗りというのはいとも簡単にできるように思えるかもしれませんが、このように規定が設けられているのですから、高度な運転能力とテクニックが必要ということがお分かりいただけるでしょう。
自転車においてもそうですが、二人乗りをしようとなると、後ろに乗る人の体重や乗り方によってバランスが崩れます。
二人乗りをしようとしてもうまくいかずに、あきらめた経験がある人もいるかもしれません。
これはバイクにおいても同様で、エンジンの力があるとはいえ、体でバランスをとって走る乗り物である以上、後ろに人を乗せるにはテクニックを要します。

後ろに乗る人も技術が必要

また、ドライバーだけでなく、パッセンジャーと呼ばれる後ろに乗る人もバイクの構造や乗り方をある程度理解して、協力をしないと危険が伴うため注意しましょう。
まず、乗る際にはドライバーはハンドルをしっかり握って、安定した姿勢を整えたうえで、パッセンジャーに乗るよう声をかけます。
また、お互いに乗る合図や降りる合図をしあうことも、転倒防止のためには不可欠です。

スタート時点はドライバーは右足をステップ、左足を地面に置いた姿勢から始まり、加速が始まったら、パッセンジャーはドライバーの腰を足でしっかり挟まなければなりません。
手はドライバーのベルトやタンデムバーをつかんで、体重を支えるようにしましょう。
この姿勢は加速時だけでなく、減速する際も大切になります。

タンデム走行の場合は、コーナリングで息を合わせることも大切になります。
単独走行より重量が重いため、バランスが崩れると転倒にもつながりかねません。
カーブに差し掛かるときは、ドライバーはパッセンジャーに合図を送ったり、声をかけたりしたうえで、十分に減速してコーナーに臨みます。
基本的な姿勢としてはドライバーの肩がハンドルと平行に位置するようにし、パッセンジャーはコーナーではよりいっそうホールドを強くします。
後ろに座るパッセンジャーはコーナーで恐怖を感じることがあるので、ドライバーの肩越しに前を見るように心がけましょう。
ドライバーが傾けば、パッセンジャーも同様に傾くことが鉄則になります。
反対方向に傾いたり、後方にのけぞるような姿勢を取ったりすると、最悪の場合コーナー走行中に放り出されるリスクもあるためです。

雪道の走行で注意すべきこと

タイヤを変える

車の場合、スノータイヤやチェーンを付けることで雪道を走ることが可能になります。
しかし、バイクの場合は雪道どころか、冬場の凍結した路面さえ大きな危険を伴います。
4輪の安定感ある車ですら普通のタイヤでは大事故に繋がる危険があるのですから、無理してバイクを雪道で走らせないのが基本です。
もっとも、冬眠ライダーになるのは嫌だと思う人もいるでしょう。
では、雪の多い地方のライダーはどうしているのでしょうか。

積雪のある雪国では、都心部では見かけないバイク用のスノータイヤやチェーンが販売されています。
ただし、適用できるのは、スーパーカブやジャイロなどの車種に限られています。
チェーンの一部はオフロード車に対応するほか、特別に制作を手掛けてくれるケースもあるようです。

また、125cc以下のバイクであれば、スパイクタイヤを手に入れることも可能です。
もっとも、雪道でも走行や停止が可能になるだけで、普段のようにバイクをバンクして曲がることはできません。
そのため、バイクをバンクさせずに両足を着いて曲がるというテクニックを体得する必要があります。
都心部でもインターネットなど積雪地帯のショップから手に入れることは可能であるものの、雪がよほど積もらない限り、凍結路面やうっすら雪が降っている程度の状態でスパイクタイヤやチェーンをつけることは、かえって危険な場合があるので注意しましょう。

バイクの種類と走りやすさ

それでも雪道を走る必要がある場合、バイクの種類によっても走りやすさが変わってきます。
最も走りやすいのは、実は大きなバイクより50cc~125cc程度の軽くて足着きがいいオフロード車です。
なぜなら、車体をバンクしなくても両足を着きながら曲がることが可能だからです。
逆に言えば、車体が自立できずバンクさせないと曲がれない大型のバイク等は、雪道は避けたほうが賢明でしょう。
特にロードスポーツバイクや400cc以上のオンロードモデルは、安全性を優先して雪道走行はあきらめるのが望ましいです。
排気量の大きなバイクで、どうにか走れそうなのは、ブロックタイヤを履いたオフロード系モデルにとどまるでしょう。

路面の状態も重要

なお、路面状態によっても走りやすさは違います。
たとえば、雪が軽く振ったばかりの時や、少し溶けてシャーベット状態にある場合は、気を付ければロードタイヤ車でもどうにか走ることができるかもしれません。
ですが、大きく積もったり、雪が厚く踏み固まったりした状態になると、オフロードタイヤでないとまず無理です。
さらに雪道より恐いのが凍結路面で、このケースではオフロードタイヤでも危険を伴います。

こうしたタイヤや雪道の状態から走行可能かを見極めたうえで、走れると判断した場合でも徹底的にスピードを落としてください。
時速10キロというのろのろ運転が理想です。
後ろから車がきても焦ってはいけません。
常に両足をステップの下において、危険を感じたら直ぐに足が着けるようにしておきます。
停車時は安全のためフロントブレーキではなく、エンジンブレーキかリアブレーキを利用しましょう。

高速道路で気をつけるドライビングテクニック

コーナリングが大事

高速道路で気をつけたいバイクのドライビングテクニックにおいて、基本となるのは丁寧な操作と上手くリズムに乗りスムーズに乗りこなすことです。
高速を走るぞと気合が入りすぎて、力んでしまう方もいるかもしれません。

周囲の車に安心を与えるためにも、力を抜いて優雅なライディングスタイルを心がけ、スロットルやブレーキなどひとつひとつの操作を丁寧に、柔らかく無駄がない動き、バイクに身を任せるようなドライビングがポイントになるのではないでしょうか。
高速道路というとスピードに任せて直線を走るイメージが持たれがちですが、実際にはコーナリングの機会が多く訪れます。

コーナリングでは車体を寝かせるように傾けバンクするマシンと一体になり、遠心力に身を任せる必要があります。
バイクライディングの醍醐味とも言うべき瞬間ではありますが、優雅で安全なコーナリングを行うにはテクニックが求められるのです。

特に高速道路では後続車がスピードを出して押し寄せてきます。
万が一失敗すれば大事故にも繋がりかねません。
コーナリングのテクニックでカギを握っているのは、速度コントロールということをご存知でしょうか。
コーナーの手前で、訪れるコーナーに見合った速度に持っていくこと、即座にそのコーナーに適応した速度を予測することがポイントとなります。

コーナリング技術解説

コーナリングのポジションを分解するとブレーキング、倒し込み、旋回、立ち上がりに分けることができるでしょう。
速度を見積もるうえで重要になるのは、コーナーに向けてアプローチしていく最初の部分ブレーキングになります。

もし、速度の予測を誤り進入する速度が速すぎるとどうなるでしょうか。
コーナーの途中でラインが膨らみ恐い思いをすることでしょう。
逆に速度が遅すぎれば失速し、車体がフラついたり、思いどおりのラインが描けないという状態に陥るかもしれません。

そこで、重要なカギを握るブレーキングはコーナー直前で強くかけるのではなく、かなり手前から行い、余裕を持って減速をする必要があります。
ブレーキングは長く一定に行い、穏やかにリリースすることで安全でスマートなコーナリングのテクニックが身に付くはずです。

なお、コーナリングのドライビングテクニックではバイクのタイプによっても、多少工夫する必要があります。
クルーザータイプの場合はシートのやや後方かバックレストに尻を押しつけながら、前下方向へとイン側ステップを踏み込んでみてください。
ハンドルをやや外側に切る逆操舵テクニックも組み合わせると、軽快にコーナリングが決まるでしょう。

デュアルパーパスモデルの場合は外足ホールドをきっちり決めて、リーンウィズで内ヒザを開かないほうが安定して旋回できます。

バイク保険の価格や補償内容

バイクにも保険が必要

自動車に自動車保険があるように、バイクにもバイク保険があります。
バイクの場合は自賠責保険のみという人も少なくはありませんが、大型バイクになるほど事故を起こしたときの被害が大きくなる可能性があるため、加入しておくことをオススメします。
まずはバイクの保険について解説しましょう。

バイク保険には、一種類だけではなく自賠責保険と任意保険の二通りの保険があります。

自賠責保険について

自賠責保険とは、車やバイクを購入したら必ず加入しなくてはいけない損害保険で、国で規定された補償内容で保険料も一律です。

自賠責保険に加入していないと公道を走ることができません。
また罰金や禁固刑などの処罰も受けることになります。

更新は自動車の場合は車検時に行ってもらえますが、バイクには車検はないので自分で更新する必要がありますので、忘れないようにしましょう。

任意保険

任意保険は、ここで紹介するバイク保険のことです。

加入は義務ではなく任意なので、仮に加入していなくても処罰は受けません。
しかしバイク保険に加入しておかないと、いざ事故を起こしたときに損害を全額補償することができない可能性もあります。

というのも全員が必ず加入する自賠責保険は、相手に対する補償のみで、賠償も最大で4000万円までとなっています。
それ以上は補償されないので、自賠責保険では補えない損害をカバーするためにバイク保険に任意加入するのです。

保証内容

バイク保険も自動車保険と変わりありません。
補償内容は大別して、自分への補償と相手への補償があります。

自分への補償は人身傷害補償、搭乗者傷害、無保険車傷害、自損事故傷害となり、自分自身や搭乗者への被害が補償できます。
相手への補償は対人賠償、対物賠償になり、被害者相手への被害または物への被害を補償しているのです。

ここできちんと加入しておけば、あらゆるバイク事故に補償が利き、補償額も無制限で補償してもらうことができます。
気になるのは保険料ですが、どの程度の補償を求めるのか、契約者の条件、保険サービスなどによって価格は変わるので一概ではありません。

保険料の相場を知りたいという方は、自分の条件で確認してみることです。
一例ですが、等級は新規、バイク排気量は250cc超、運転者年齢が21歳以上対象なら保険料は年間相場41,000~43,000円となります。

気になる方は自分の年齢でシミュレーションしてみましょう。
また、複数社から見積もりを取ることで、大よその相場を見ることも可能です。

でこぼこ道でのドライビングテクニック

肘膝を楽に

でこぼこ道でのバイクのテクニックは、膝や肘を楽にして乗る事です。

バイクに乗る時にはニーグリップをして体とバイクを一体にして乗るのが基本ですが、それは通常の道の場合です。
オフロードのレースを見たら分かりますが、ボコボコしている所では大体みんな腰を浮かして乗っています。
それはバイクの衝撃が体に伝わらないように体を浮かせて、膝や肘で上手に衝撃を和らげているのです。

オフロードバイクででこぼこの道を走る時には、少し腰を浮かせるくらいの気持ちで走ると良いでしょう。
オフロードバイクでしたら車体も軽いですし、そういう乗り方をしても制御出来るはずです。
通常のオンロードのバイクでしたら腰を浮かせて乗るのは危険ですので、通常通りシートに座ったまま運転をしてください。
そしてなるべく膝や肘が楽になるような状態で乗り、でこぼこ道を走っても衝撃がダイレクトに伝わらないようにしてください。

でこぼこ道だからと言って、転倒しないようにガチガチに体を固めて運転する方が居ますが、それは逆効果です。
バイクにしがみつくように乗っていると、ちょっとタイヤがすべるくらいで転倒してしまいます。
膝や肘に余裕がある状態で乗っていれば、体が自然とバランスを取ってくれますし、多少バイクがぶれたとしても修正する事が出来るでしょう。

バイクにサスペンションがあるのは衝撃を吸収する為です。
人間の体には膝や肘がサスペンションの機能を果たしていますので、でこぼこ道で体に衝撃が伝わるような時には、膝や肘を活かすような乗り方をしてください。

突然のでこぼこ道も大丈夫

でこぼこ道を走ると事前に分かっている時には、事前にその対処をして走る事が出来ますが、問題なのは急に道がでこぼこになっている時です。
一般道ではアスファルトの道でもよくでこぼこになっています。

大きなトラックが通るような所では轍が出来ていたりしますし、道路工事を良くするような所では切ったり貼ったりした結果、道路の表面がでこぼこになっている事があります。
そういう所をバイクで走ると、急に路面状態が変わりますので、タイヤが取られて転倒するのも良くあるパターンです。

それを防ぐには、いつ道路がでこぼこになっても良いような運転をしましょう。
ちょっとしたでこぼこでしたら肘に余裕があれば上半身で対処出来ます。

膝はしっかりとニーグリップをして車体と体を固定させたまま、肘と上半身で多少の衝撃になら対処する事も出来るので、肘は常に余裕のある状態でいつも運転をする事が大切です。
バイクででこぼこ道を運転する時のテクニックは、肘と膝を上手に使う事がポイントです。

夜間走行の際の騒音には注意を

マナー違反が増えている

バイクを通勤やレジャー、ツーリングなどに使用している人も多いと思います。
バイクはクルマと比べると燃費がかなり良いので、通勤にバイクを使うことでガソリン代をかなり浮かせることができますし、レジャーやツーリングなどでは風を感じて走ることのできる爽快感はとても魅力的なものです。

しかしながら、最近はバイクを乗っている人のマナーが問題となることが多くなっています。

身近なところでは原付の2段階右折の違反があります。
交差点で普通に右折していく原付をよく見かけますが、クルマを運転している者からすると非常に迷惑な行為です。
もしも自分の車の近くにチョロチョロと出てきて、いきなり右折されてクルマにちょっとでも触れてしまったら、原付なんて簡単に吹っ飛んでしまいますから、こちらとしても冷や冷やものです。

バイクと騒音

また、バイクマナーというと騒音問題は切っても切り離せないでしょう。

夜遅い時間帯にバイクが大きな音を立てて走っているために、せっかく眠りについたにもかかわらず起こされてしまったりすることがありますし、赤ちゃんのいる家庭ではバイクの音に赤ちゃんがびっくりして泣きだしてしまうといったこともあるでしょう。

バイクのエンジン音というのは実際に運転している人にとってはそれほどでもないように感じるかもしれませんが、普通に生活している人にとってはかなり大きな音で、迷惑に感じる人も多くいます。

そして、バイクというのは小回りがきく分、小さな路地などにも簡単に入り込んでくることができるため、住宅のすぐ傍らを走行することができます。
そういったことから騒音がより大きな問題となりやすいのです。

そして、よくいるのがバイクのエンジンを空吹かしにしている運転手です。
本人はエンジンを暖めるためだとか、エンジンの掛かり具合を確かめるために特に何も考えずに習慣的に空吹かししているのかもしれませんが、家の前でそんなことをやられたら非常に迷惑がかかるということを少しは意識するべきでしょう。
実際、空吹かしが迷惑だと警察に通報する事例も増えています。

バイクではツーリングを楽しむ人も多いと思いますが、ツーリングでもマナーは大切です。
一般的にツーリングは山道など人の少ない場所を走るのでそれほど問題になることはないですが、ツーリングに出かけるために深夜や早朝に家を出ることがあるでしょう。
そのようなときに周りの住宅に迷惑がかかることがあります。
ツーリングに使用するバイクは比較的大型の車両が多いため、騒音もかなり大きなものとなります。

もしも、自宅を深夜や早朝の時間帯に出るという場合には大きな通りに出てからエンジンをかけるなど、気を使うことも必要になってくるでしょう。

バイクの保険加入が必須な理由

バイクは事故を起こしやすい

事故を起こしてしまった時などに手厚い補償を受ける為にも、保険は必要です。
ただ残念なことに、自動車に比べるとバイクの任意保険の加入率はまだまだ低いのが現状なのをご存知ですか。
しかし実際に道路を走っている様子を思い浮かべると、事故とは無縁かと言ったら決してそうではありません。
ちょっとした段差や水たまりでも場合によっては滑ってしまう事もあり、最悪の場合は死亡事故を起こしてしまう事も有るのです。

実は、自動車に比べるとバイクの方が事故発生率は高くなっています。
勿論、バイクに乗ったら絶対に事故を起こしてしまう訳ではありません。
安全運転をしていれば、ちょっとヒヤッとしてしまうような場面はあったとしても、大事故にはつながらずに今まで来た人も大勢いるでしょう。

また折角バイクをお手頃な価格で買ったのに、使うかどうか分からない保険に多額のお金を払うなんてもったいないと考えている人もいるかもしれません。
またバイク自体は自動車とは違って車検を受ける必要もないので中には自賠責すら加入していない物も存在しています。
(自動車の場合は自賠責に加入していないと車検を受ける事はできません。また車検時にその更新をしてもらうことができます)

保険加入はマナー

とはいえ、保険に未加入の上体はとても危険です。
ちょっと転んでしまってバイクが壊れてしまった時、バイクを修理する費用が多額になってしまったらどうしますか。
事故に相手がいる時、相手に対する賠償額がかなりの金額になってしまった時は全額自腹で払うことができるのでしょうか。

保険と言うのは、確かにいつも使う物ではありません。
だからどうしても必要ないのではないか、実はもったいないのではないかと思われてしまいがちです。
しかしもし何か起きてしまった時でも、保険に加入しておけばそれを利用して事故を起こしてしまった相手に対してもしっかりと保障する事だってできます。

実は保険は自分の為に加入しているだけでなく、一緒に道路を走っているその他の車やバイクや自転車、そして歩いている人などに対するマナーと言ってもいいでしょう。
バイクはとても馬力がある2輪車です。
便利でスピードも出るし、狭い所でもすいすい走って行く事が出来るとても便利な乗り物なのですが、その構造上どうしても転びやすいし、転んでしまった時は大きな事故を起こしかねません。
事故に相手がいる時も、自分だけで起こしてしまった事故の時も、出来るだけ元の状態に戻すためにも、そして相手に対してしっかりと償う為にも保険は必要です。

すり抜けについて

すり抜けは違反!?

バイクのすり抜けは避けたほうが安全ではありますが、バイクの機能性を活かすためには、すり抜けしたい場面もあるでしょう。

すり抜けは道交法では違反となりますが、これが原因で検挙されることは少なく、黙認されていることが多いのが現状です。
ただ、注意するべきポイントももちろんあります。

まずオレンジの線をはみ出て追い越すような場合です。
オレンジの線は「追い越し禁止」を意味しますから、もし追い越すときは線をはみ出さないようにしなければいけません。
ウインカーの不履行にも注意が必要です。

進路変更する際には、3秒前にウインカーを出さないといけない決まりになっています。
ジグザグ運転をするような場合、進路変更の3秒前にウインカーを出すことは無理なはずです。
すり抜けには危険性もありますが、渋滞しても一定のペースで移動できるというバイクの機動性を活かせる行為であることは確かです。

すり抜けの際の注意点

渋滞に巻き込まれると移動に時間がかかるばかりでなく、燃費も大幅に悪化してしまいます。
止まっていてもエンジンが回転しているだけでガソリンを消費するのです。
特にエンジンの大きなビッグバイクほど、アイドリング時の燃料消費は激しくなりますので、すり抜けによる燃費節約効果は大きくなるわけです。

とはいえ、やはりすり抜けには危険を伴いますから、なるべく安全な方法で行うべきでしょう。
安全にすり抜けするためには、走行中にジグザグ運転をするのではなく、信号でストップしているときに車両の先頭まで出る方法が安全です。

この場合は、車の左側を通過して先頭まで出る方法が一般的ですが、車のドアが急に開くことがあるので注意が必要です。
走行中の交差点付近でのすり抜けは、車が予想外の動きをしてバイクが巻き込まれてしまうおそれがあるので注意してください。

左折での巻き込みは特に多いので、左折するときは車の動きに注意を払ってください。
ドライバーの多くはバイクを運転したことがありませんので、まさか車の横を急にバイクが走り抜けていくとは考えていません。

バイクの少ない地域ほど、ドライバーはバイクはいないと思って運転しているので気をつけるべきでしょう。
ちなみに、頻繁にすり抜けをする方の場合は、バイクは水冷エンジンにしたほうがいいでしょう。
空冷は空気で冷やす機能であり、水冷よりもコストが安くなるというメリットがありますが、渋滞に巻き込まれるとオーバーヒートしやすくなります。
エンジンを冷やす機能は、水冷のほうが圧倒的に優れています。

バイク乗りのマナー

バイクのマナー

バイクに乗っている人がまず気をつけなければならないことは、近所迷惑にならないようにすることです。

バイクの音は普段乗っていない、興味がない人にとってはかなりうるさく感じてしまうものです。
このため、所構わずエンジンをふかしてしまいますと、近隣トラブルにまで発展しかねないこともあります。
ライダーにはツーリングを楽しむ人が多いですが、この時も朝早く出発して、帰宅も遅くなるといったことも決して珍しいことではありません。

バイクに乗っている人が近隣トラブルを起こさないようにするためには、自分の住んでいる場所のことをよく考えなければなりません。
特に、周囲に住宅が密集している住宅地に住んでいる場合は、家の前でバイクのエンジンをかけるのは避けた方が無難です。
住宅地に住んでいるライダーは、近所の家から数百メートル離れた場所でエンジンをかけるようにするとよいでしょう。

ただし、近所に防音性能が高いマンションのある場合や、排気量の低いバイクに乗っているライダーの場合は、これほどの配慮をしなくてもすむ場合もあります。
バイクの音がうるさくないかどうしても気になる場合は、近所の人にうるさくないか直接聞いてみるのも良い方法です。

すり抜けにも注意

バイクに乗っていると、車が渋滞しているときでも車の間をすいすいと抜いていけるという特権が味わえますが、
車の間をバイクですり抜けるときにも交通ルールを遵守し、マナーを守った運転を心がけるようにしなければなりません。
バイクで車の間をすり抜けていくという行為は、車を追い越していくことと同じと見なされています。

このため、すり抜けの仕方によっては交通違反になってしまうことがあります。
バイクで車の間をすり抜けるときには、必ず右側から追い越しをしなければならない、
他の車が道路の真ん中か右側に寄って走っているときは、左側から追い越しをしなければならないと道路交通法に定められているのです。
道路交通法では交差点でバイクがすり抜けをすることは合法となっていますが、交差点で右側から追い越しをすることや、
走行中の車の左側をバイクですり抜けることは交通違反とみなされてしまいます。

また、車が渋滞をしている左側をすり抜けていくことも違反行為です。
二車線以上ある道路のセンターラインの上を走りながらすり抜けていくという行為も当然ながら違法となります。
二車線以上の道路をバイクで走る場合は、二車線の間を車を追い越しながら走っていくとよいでしょう。

バイクに乗る人こそ、保険の加入が必要です。

車を運転する人の多くは自動車保険に加入しますが、バイクのみを運転する方は自賠責のみの加入である場合が非常に多くみられます。
保険料にお金を使いたくないと考える方も多いですし、大きな事故に合う事はないだろうと思ってしまう場合もあるでしょう。
しかし、車と違い怪我をする可能性が非常に高いのがバイクです。
少し考えてみれば、車とどちらが危険かは一目瞭然でしょう。
滑って転倒してしまう事もあれば、ちょっとした接触事故でも大怪我に繋がってしまう事が殆どです。
これは身を守るものがヘルメット位しかない、非常に軽装備である事が原因といえます。
そのため、もしスピードが出ていての事故・転倒があった場合、骨折してしまう事も多々ありますし、即入院になる怪我をする事も多いのです。
そんな大怪我をしてしまったにも関わらず、自賠責のみの加入だったらどうなるでしょうか。
自賠責というのは「相手方の怪我」へ賠償するためのものです。
それ以外の補償は一切されませんので、自分の怪我についても一円も出ません。
通院・入院費用、通院にかかる交通費、怪我によって仕事を休んだときの補償だってありません。
業務中の事故であれば労災が適用されますが、そうでないプライベート内での事故であれば受診費用は自己負担となります。
自分の怪我に対しても補償される内容が必要といえます。
また、車との接触事故を起こしてしまった場合はどうでしょうか。
車との事故だったら車の方が悪い、車の人から賠償を受ければ良いのではないか、と考える方もいらっしゃるでしょう。
しかし、実際は自転車や歩行者の事故でも過失割合が発生します。
という事は、バイクでもしっかりと過失割合が発生しますし、自分の過失割合分は車側に賠償する必要があります。
先ほども申し上げた通り、自賠責では相手の車の修理は対応できません。
そして、相手方との示談交渉もしてもらえないため、交渉は自分で行う必要があります。
これは大変手間がかかる事です。
仮に車側が6割、自分側に4割の過失割合で決まったとします。
車の修理代の4割を支払う事になりますが、相手方の車が高級車で損傷が大きかった場合、4割分だけといっても何十万も請求される事があります。
自賠責のみの加入であれば、自費で何十万も支払わなければなりません。
また、こちら側が怪我をしてしまった場合、相手方から6割分の通院費などは支払ってもらえますが、残りの4割については賠償してもらえません。
保険は自分自身を守るためのものです。
自分が運転をするにあたっての危険性をよく考え、それに見合った補償を受けられる内容で契約する必要があります。
月々の支払いは負担になるかもしれませんし、最終的には事故に合わない可能性だってあります。
もちろん、事故がなければそれにこした事はありません。
ですが、運転していたときに何かあれば賠償義務が発生します。
そのときのために安心を買うというのは重要な事です。
自分が運転をするにあたり、本当に安心できるのか、今一度考えてみましょう。